民主主義社会でこそ抹殺された「土人のお祭り」

呉智英氏の「日本衆愚社会」(小学館新書)を再読していたら、最初の時は読み飛ばしてしまっていたらしいが、とても面白い歌が紹介されていたので、豆知識としてここにも引用します。

ヤシの木陰でどんじゃらほい

シャンシャン手拍子足拍子
太鼓たたいて笛ふいて
今夜はお祭り パラオ島
土人さんがそろってにぎやかに
あ ほういほういよ どんじゃらほい

作詞は玉木登美夫という人で、題名は「土人のお祭り」。戦前の歌だそうですが、戦後は禁止となりました。呉氏はこのことを次のように語っています。

「戦前は自由に歌われた歌だが、表現の自由が実現した民主主義の中で抹殺された。民主主義というものはそういうものだから当然でしょ、という考えなら、それでいいのだけれど」(呉智英)

しかし、明るく楽しい歌だから、なんとか復活させようとして歌詞を書き換えたのが「森の小人」。

森の木陰でどんじゃらほい

シャンシャン手拍子足拍子
太鼓たたいて笛ふいて
今夜はお祭り夢の国
小人さんがそろってにぎやかに
あ ほういほういよ どんじゃらほい

しかし、この歌も現在事実上禁止のようです。「小人」がいけないのでしょうが、じゃあ「白雪姫」はどうなるんでしょう。

さらに呉氏はとても適切な分析をしていて、「土人」とは「土着の人」のことで、1956年に発行されていた優れた辞書「新簡約英和辞典」(研究社)では、Indianを「インド人」のほかに「アメリカ土人」と訳していることを指摘しています。アメリカの土着の民族だからであり、白人はアメリカの「渡来人」なのです。

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