「北朝鮮利権の真相2 日朝交渉『敗因』の研究」(宝島社)読み返しています

ある事情から必要があって「北朝鮮利権の真相2 日朝交渉『敗因』の研究」(別冊宝島Real 宝島社)という、2004年12月に出た本を調べ直しています。実は本書で、ジャーナリストの野村旗守氏が「虚妄の補償『戦後賠償』利権」という、日朝国交回復がもし行われた場合についての利権構造やお金の動きについて、日韓国交回復を例にした中々興味深い分析が載っています。ただ、ここでは同書に収録された荒木和博氏の文章を紹介します。

「(戦後政治において)社会党が野党第一党であることが自民党政権を安定させ、自民党政権の安定は社会党に『何でも反対』を許すことになった。自民党は『社会党がいるから今は憲法改正はできない。しかし我が党が選挙で負ければ国の安全は危うくなる。やがては憲法も改正するつもりだから投票してほしい』と支持層に訴えた。」

「社会党は表面だけは自民党に反対しながら、一方では自民党に寄生し、適当に国対費のおこぼれに与り、或いはソ連、中国、北朝鮮という共産圏諸国のエージェント役を務めながら野党第一党の地位を守り続ける。」

「この自民・社会があうんの呼吸で作った一種の擬似連立政権のもと、『保守』は自民党に、『革新』は社会党に騙され続けてきたというのがこの国の実態だったのではないか」

そして荒木氏は、このような体制下では、日本政府は「都合の悪いものからは目をそらし、国民の眼からも遠ざけ」てきたのではないかと指摘し、その典型が拉致問題であると述べています。さらに、この構造は戦前、戦中にもあったのではないかと次のように指摘しています。

「『軍国主義』と言われてきた戦前でさえ、旧ソ連のスパイであるリヒャルト・ゾルゲは陸軍の中枢にまで人間関係を持ち、公然と情報収集を行っていた。しかしゾルゲが摘発されたのちも、軍内でスパイとして捕まった人間はいない。スパイがいなかったのではなく、捕まえられなかったのである。」

「まさか憲兵隊にしても特高警察にしても、あの巨大な帝国陸海軍にスパイが一人もいないなどとは思っていなかっただろう。しかし、結局敗戦まで摘発できなかったのが現実で、それはやはり、見たくないものは存在しないことにしようということだったのではないか。そしてゾルゲの謀略は日本を米国との戦争に導き、やがては敗戦の奈落に突き落とすのである。その意味では、日本は戦前も戦後も変わっておらず、あれだけの犠牲を出した戦争の教訓を全く生かしていないのだ」(「事なかれ主義という戦後日本の宿病」荒木和博)

北朝鮮関連本は一時氾濫し、私もとてもすべてを読んではいませんが、昔の本を再読してみると中々考えさせられたリ、失っていた記憶がよみがえってきたりします。

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