今日は自慢話&淡島千景さんはなんといっても「夫婦善哉」

今日は自慢話をさせていただきます。拙著を贈呈させていただいた宮崎正弘氏、そして渡辺京二氏から大変過分なお言葉をいただきました。何よりうれしかったのは、渡辺氏がエズラ・パウンドについて、初めて拙著でお読みになられたとのこと。知識人としても思想家としても私が渡辺氏に何か有意義なものをお伝えできるようなことがあろうとは思わなかったが、これは光栄至極なことでした。宮崎氏は、拙著の中のアルキビアデス論について、こういう風に読んでくだされば本望、というべきお言葉をいただき、メルマガでも紹介してくださいました。

勝田吉太郎、渡辺京二、吉本隆明、西部 邁、竹内好、江藤淳、福田恒存、こういう人たちから私が受けた影響は果てしない。そして50過ぎて、勝田氏ともインタビューができたし、西部氏の雑誌には何とかもぐりこんで連載ができてるわけだし、渡辺氏にもささやかな恩返しができたわけだし、人間、生きていればいいことあります。他にも私が多大な影響、というか、これはすごい人だと思っていたのは淀川長治氏なのだが、この方にファンレターを出してご返事をもらったというのも私のお得意の自慢話です。まあ、これはまた次の機会に。

さて、淡島千景さんの告別式が行われたようですね。

淡島千景さん 葬儀しめやかに「日本を代表する女優なのに謙虚でかわいい方」

スポニチアネックス 2月26日(日)16時28分配信

 16日に87歳で死去した俳優淡島千景さんの葬儀・告別式が26日、東京都文京区の護国寺桂昌殿でしめやかに営まれた。

 かつて共演した司葉子(77)や八千草薫(81)ら約350人が参列したほか、一般ファン用の祭壇にも弔問客が訪れた。
 葬儀会場の祭壇には、頬に手を当てた淡島さんの遺影が飾られ、棺の中には出演したNHK大河ドラマ「花の生涯」など5作品の台本も納められた。
 弔辞で、俳優の淡路恵子(78)は「すてきな素晴らしい女優で憧れの的だった。すごく寂しい」とあいさつ。舞台で共演した日本舞踊花柳流の家元、花柳寿輔さん(80)は「日本を代表する女優なのに、謙虚でかわいい方でした」と人柄をしのんだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120226-00000114-spnannex-ent

淡島さんと言えばなんといっても森繁久弥さんと共演した「夫婦善哉」だと思う。森繁さんも素晴らしい名演で、要するにこれって『だめんずウオーカー』というかなんというか、とにかくここまでだらしなかったら本望というくらいだらしない男と、男のだめさ加減は心底わかっているのに付き合い続ける女の物語なのだが、なんでこの二人が別れないのか、理屈ではなく画面を通じて伝わってくるような名作でした。もちろん原作がいいんだけど、織田作之助の小説の良さをここまで引き出したのも映画の力だと思う。

この夫はとにかく何をやっても、センスだけはあっても地道に努力しないから結実しないという、もう私も実によくわかるキャラなのだが、これは私には到底無理だなと思うのは徹底したB級グルメの才能。関西人の友人をお持ちの方はわかると思うが、左右を問わず関西の方は東京の食文化をどうもバカにしているところがあるというか、関西食至上主義を匂わせる方が多い。でもその基本は、やすくておいしい個性的な店をちゃんと個々人が時間とムダ金をかけて探し当てるのが粋なのだ、という独特のセンスがあるように思うし、そこは「飯なんてビールかお酒があれば何でもうまくなるんだよ(というか、つまみと化して味なんて濃ければいいという意識となる)」という私とは違うようだ。このダメ男がまず女性を惚れさせたのがそういうお店を数多く知っているという才能で、こういう人間はほかにどんな欠点があっても、粋に人生を味わっているのだ、と女性に確信させるものがあったのだろうなあ。

織田作之助の原作も映画も絶品ですので、ぜひお勧めいたします。

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