横田滋さんを演じる原田大二郎氏の姿に、かっての平重盛を見た

これは全く個人的な、たぶん私の世代(昭和35年生まれ)かその以前の世代にしか通用しない話題ですが、現在上演されている演劇「めぐみへの誓い」(今日は川崎、私も行きますけどね)で横田滋さんを演じている原田大二郎さん、私にとっては、大河ドラマ「新・平家物語」の平重盛役としてずっと心に残っていた方です。

保元・平治の乱から鎌倉幕府成立までの時代を描いた吉川英治の長編小説を、決してその魅力を減ずることなく見事にダイジェスト化し、生き生きとした歴史ドラマに作り上げたこの番組を見たおかけで、私は「歴史とは面白いものだ」というとても大切な思いを抱くことができました。あの番組がなかったら、もしかしたら全然違う人生を歩んだかも。それくらい影響力はありましたね。

全編が戦争と権力闘争に彩られ、既存の朝廷と貴族政治を守り抜こうと陰謀をめぐらす後白河法皇、新しい武家の時代を切り開こうとする平清盛と源頼朝の争いの中、ただ一人、政治には、伝統や礼節を決して失ってはならないのだと苦悩し訴え続けたのが、原田大二郎氏演ずる平重盛でした。いま思うと、私は言葉だけを武器に政治権力の暴走を防ごうとする平重盛の姿に、ある種「知識人」のあるべき姿を見ていたのかも。

横田滋さんを演じている原田氏を見ていると、私はあの重盛の姿が時々思い浮かぶことがあります。北朝鮮というテロ国家の暴力に直面し、同時に、国民を助ける義務を果たそうとしない日本国の偽善とも向き合わねばならない中、横田さんは一度も、誰かを罵ったり恨んだりする言葉を発しませんでした。まず正義を礼節を持って訴え続けること、それこそが悪や偽善に対峙する道なのだ、という信念を貫いた姿こそが、私たちの心を撃ったのだと思います。原田氏の演技は、その横田さんの精神を見事に舞台によみがえらせています。ぜひ、まだ未見の方は、一度舞台に足をお運びください

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