「国民の創生」好きとは言いにくいがやはり好きな映画

「国民の創生」という、1915年にアメリカ映画の巨匠グリフィスが監督した映画があり、全体で約180分の大作。南北戦争、リンカーン暗殺、そして戦後の南部の荒廃とそこからの再建を描いた映画。

実を言うと私はこの映画がとても好きで、グリフィスの最高傑作であると共に、ジョン・フォードの西部劇の要素のかなりの部分がこの作品には預言されているとすら思っているのですが、どうもこの作品を好きとは表立って言えないものがある。それは本作が、南北戦争後を描いた後半部で、KKKを南部の秩序を再建した英雄として描いているからです。

ただ私は、なんでこんなとんでもない映画にこれほど魅力を感じるのだろうと思い、映画の原作まで買っていろいろ勉強してみました。(原作は今や忘れられた作家ですが、南部の牧師出身のトマス・ディクソン・ジュニア。「クー・クラックス・クラン 革命とロマンス」)

この小説はやはりかなりとんでもない部分も多いんだけど、ディクソンが、南北戦争における敗者である南部側の言い分を主張したい、特に戦争後の北部による南部への侮辱的なイメージの押し付けを打ち消したいという切実な思いで書いたことは分かりました、翻訳書にはとても丁寧で詳細な解説がついていて、グリフィスの映画がさらに理解できるように思えました。

ここではあんまり詳しくは書きませんし、短く論じれば誤解が生まれるだけなので控えますが、もし、3時間という時間についてきてくれる人がいたら、一度上映会&講演会を開きたい気もする。

しかし、あらためて見て思ったのは、主演女優のリリアン・ギッシュをはじめ、出てくる女優がみんな異様なほどかわいい。ギッシュはこの作品が最高傑作じゃないかと思う。今回の見て改めて思ったのは、女優たちがみんな日本アニメ、特に最近悲劇にあった京アニのヒロインたちを思わせること。こういうヒロイン像はアメリカ映画ではこの後なくなっていく。「散り行く花」はあんまりかわいそうすぎてついていけなかったのですが、この作品でのギッシュは可愛さとプライドとがうまく調和して素晴らしいヒロインになっている

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