スリーピー・ジョン・エスティス&ハミー・ニクスン イン・ジャパン ’74&’76 ~ 伝説のブルース・ライヴ!

イン・ジャパン ’74&’76 ~ 伝説のブルース・ライヴ!
スリーピー・ジョン・エスティス&ハミー・ニクスン(Pヴァイン・レコード)

スリーピー・ジョン/エスティスの来日ライブ。日本に『ブルースブーム』が起きた時代の貴重な録音が発売されている。

エスティスは当時日本でもLPがかなり売れていた老ブルースシンガーだが、まあ少なくともレコードの解説などを見る限り「貧しく悲痛な黒人のブルース」「戦前は多少ヒットしたが、戦後は貧困に苦しみ、眼も病んで絶望的なブルースを唄っている」みたいなイメージで宣伝されていたように思う。しかし、そういうあまりにも決まり文句的な『ブルース』はここにはない。

エスティスの最晩年のライブで、かっての声やリズム感には正直衰えもある(むしろハープと歌のハリーの方がかっこいい瞬間もある)しかし、第一曲目の「コリーナ・コリーナ」が始まると、黒人も白人もない、まさに南部のいろいろな人種の人々が共に酒場で、野外パーティで、サーカスや偽薬売りのショウで、歌い踊っている世界にいきなり飛び込んだような思いがする。

貧困に苦しんだと言っても、エスティスのブルースを単に暗く哀しいものとのみ解釈する(ちょっとスタジオアルバムはそう語られる傾向があった)のは間違いだ。ボブ・ディランは「ブルースマンは、自分の抱えている問題を常に外から眺めている」悩みや現状の困難にどっぷりつかって歌うのはブルースじゃない。それを対象化し、作品にして、あくまで客観視して歌うのがブルース。このエスティスもそうで、このライブでは、そこを突き抜けた明るさ、遠い彼方の日本に来ても、自分の歌は伝わるんだという喜びにあふれている。

憂歌団は数曲バックをやっているが、実に抑えた、敬意を感じさせるバック。きっと彼等も、エスティスから、ブルースのバトンを受け取っていたはずだ

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