【書評】 カレル・アンチェル 悲劇に生きたマエストロ 高橋綾著 アルファベータブックス

やまと新聞に書かせていただいた書評です。(会員にならないと読めないようで申し訳ありませんが一応紹介します)

チェコの名指揮者アンチェルは、ユダヤ人であったため、第二次世界大戦中はテレジンとアウシュヴィッツに入れられ、両親と妻子はそこで亡くなりました。そして戦後は、チェコ・フィルハーモニーの指揮者として活躍しましたが、「プラハの春」でのソ連軍のチェコ侵攻により、祖国を亡命、カナダで生涯を閉じました。

彼は殆ど自分の悲劇を語ることなく、音楽に一生を捧げましたが、逆に、ひたすら音楽を美しく演奏することで、どんなに残酷な事態の中でも人間の精神は決して挫けることがないことを証明したのかもしれません。ウイグルにも、チベットにも、北朝鮮にも、今収容所の中で、好きな音楽を再び演奏する日を信じて耐えている人がきっといるはずです。いや、音楽に限らず、文学、美術、映画、演劇、スポーツ、すべての夢を持った人たちが、夢を見る自由すら奪われつつあることを私たちは忘れてはならないでしょう。

やまと新聞

【書評】 カレル・アンチェル 悲劇に生きたマエストロ 高橋綾著 アルファベータブックス    三浦小太郎(評論家)
【書評】 カレル・アンチェル 悲劇に生きたマエストロ 高橋綾著 アルファベータブックス    三浦小太郎(評論家)

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