江東映像文化振興事業団、次回上映会は6月15日、作品は「美女と野獣」(ジャン・コクトー監督)です

江東映像文化振興事業団の映画上映会を下記のとおり開催します

上映作品「美女と野獣」(ジャン・コクトー監督 1946年)

★あらすじ

鬼才ジャン・コクトーが18世紀のおとぎ話を「映像の詩」に昇華させたラブ・ファンタジー映画。
魔法使いによって野獣にされていた王子が、美女の愛によって元の姿に戻るという物語。
美神マレーが醜い野獣に扮し、眼の演技と動作で全ての感情を表現。CGや特殊撮影もない時代、スローモーション効果撮影や、燭台、彫像に本物の人間の手や顔を使うなどコクトーの天才的なひらめきが随所に散りばめられ、ゴージャスな衣装、様式美と共に圧倒的な映像美に結実した不滅の傑作。

日時 6月15日(土)午後3時開場 3時半開会

場所 場所 TKPスター貸会議室市ヶ谷
   東京都千代田区九段南4-7-22 メゾン・ド・シャルー201
参加費 無料
連絡先 三浦 電話 080(3485)7189

コクトーが1936年に来日した時の言葉を一部紹介します。

フランスにゐて、私が日本に就いて考へてゐたことは誤解でした。私は日本といふ国を、僅かに浮世絵や屏風によつて空想してゐたのでした。私は日本と云ふと、ただもう、花の咲いた美しい枝に止つた小鳥達や、竹林からをどり出して来る虎や、牡丹に戯れる獅子の姿を想像するのでした。

今度見て、私は自分の想像してゐた日本が如何に外面的であつたかといふことに気づきました。明日、私は、日本の厳粛な、そしてまた宗教的な姿を心の土産にしてお国を去らうとして居ります。
上御一人の為めに、尊い一命を快く犠牲にし得るあの生命の抛棄――自殺――あれが日本の国運と日本人の微笑の根本になつてゐると私には思はれます。一昨夜、私は歌舞伎座で「鏡獅子」を見物いたしました。あなた方の名優菊亓郎、あれは俳優ではなく、むしろ舞台の上の神主であります。彼は神主であり、また動く背景であります。出囃しの音楽と、彼の典麗な所作とが一緒になつて、一種神神しい神の前の礼拝の気持をつくり出します。然しこの礼拝の気持は、西欧諸国で神秘劇と呼ばれてゐるあの宗教劇とは、似もつかないものなのであります。菊亓郎が見せてくれるものは、実に舞台の上の宗教だと、私は申し上げたいのであります。
あの純白な、素晴らしい獅子の鬘かつら、菊亓郎はあれで、あの舞踊をどりの無言の歌詞を書いてゐるやうに私には思はれます、あの大きな毛筆で。
菊亓郎が見せてくれる、お腰元の扇の踊り、長いけれど尐しも退屈の感じられないあの踊り、あれを私は一生忘れることができないだらうと思ひます。あの踊りは、国技館で昨日見物した相撲と共に、私にとつては真の日本の力、美しさと剛気さとを打つて一丸となした力を見せてくれるやうな気がします。
踊る菊亓郎が、一瞬間立ち止る時の、また仕切り最中の両力士が互いに相手の胸中を鼻突き合せて研究しあふ時の、あの二種類の厳粛な気持ちが、私に思ひ出させるのでした、明治神宮の境内のあの超人間的な静けさと、そこへ参拝に来る人々の敬虔な姿とを。
(ジャン・コクトー 「日本への挨拶」から 堀口大学訳)
You can leave a response, or trackback from your own site.

Leave a Reply

Subscribe to RSS Feed