懐かしい「四季」久しぶりに聴いた

中学生の音楽の授業で、ヴィヴァルディの「四季」をきいた時の楽しさはなんとなく今も覚えている、というか、先日、イ・ムジチ合奏団でこの曲を聴き直したくなって、アマゾンの中古盤で安いのを入手しました。かってクラシックのレコードとしては大々的にヒットした50年代、60年代の録音ではなく、90年代になってからの(たぶんかってのメンバーはもういないのでは)イ・ムジチ合奏団, ヴァイオリンソロは、カルミレッリ(ピーナ)という人。

古楽器での演奏スタイルがもう一般的になり、この曲独自の風景描写も結構どぎつく演奏される(アーノンクールとか)ようになったのもすでに昔の話、音楽は別に勉強ではないのだから、その時その時の気分で聴けばいいだけ。確か学校で聴かされたのはイ・ムジチではなかったと思うけど、親にねだって買ってもらったレコードは、イ・ムジチのロベルト・ミケルッチがソロを弾いたレコードだったはずです。確か串田孫一氏のエッセイが載っていたような覚えもある。

そしてこのカルミレッリ&イムジチの演奏、端正で上品ですが、同時に、「描写音楽」の面白さ、そしてヴィヴァルディの「ロマン派音楽」に通じる魅力を表現した演奏です。「春」の第三楽章など、そのテンポの自在の動かし方はロマン派のヴァイオリン協奏曲に通じるものすら感じますし、また、全体が上品で澄んだ弦楽器の音色(これはやはりモダン楽器ならでは)で、私にはいつも「うっとうしく」(まあそういう雰囲気を狙ってくつられている曲だからしょうがないけど)感じる「夏」もとても聞きやすいし、しかしダイナミックさは失われていません。「秋」の仮のリズム感も「冬」の第3楽章の、厳しさの中にもある種の爽快感を感じさせる演奏も快い。

全体的に、この「四季」、標題音楽として、各楽章につけられたソネットの内容をかなりわかりやすく表現しているようにも思えます。実はCDに寄せられた故志鳥栄八郎氏の解説がまた面白く、自分のヴェニス訪問の思い出にはじまり、楽曲解説では事細かに詩の内容と音楽とを結びつけて紹介している(「夏」で、標題音楽には様々な描写があるけど、「ハエ」をテーマにした曲はこれしか知らない、と書いているのはちょっと受けた)。かって少年時代に繰り返し聞いた時も(「秋」が一番好きだったかな、狩りの情景を思い浮かべながら聴いた)やはり音楽につけられたソネットの内容と音楽を結びつけて楽しんだことを思い出します。学校の授業や、子供さんに聞かせるCDとしても、解説ともども中々有効な一枚ではないかと思いましたし、私ももう何十年も前の少年の日々を思い出しました。

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3 Responses to “懐かしい「四季」久しぶりに聴いた”

  1. Kazu Emu より:
    私の手元にありますのは70年代の出版なので、何回目かのリイシューなのでしょうが、1959年 PHILIPS ステレオ録音で、フエリックス・アーヨ(Vn)です。私が中学二年の頃に、銀座のY楽器店で、母が買ってくれたもので、現在も丁寧に聴いています。この、日本フォノグラム社製のLPも、志鳥さんの解説で、ご指摘のハエの件も有り、さらに、『ヴィヴァルディブームのきっかけは、カルル・ミュンヒンガ-と、イ・ムジチである』と、書かれています。イ・ムジチとしては、通算二回目のアーヨがヴァイオリンの本録音も、古色古香の雰囲気で、尚音色暖かく、非常に良いので、機会があれば、三浦先生、是非お聞きください。三浦先生のお言葉に倣う訳ではありませんが、私にとっても、これからの約6ヵ月間は、『うっとうしい季節』です。そして、10月の声を聞くと、自然と我が身内に、やる気と言うか、積極性が満ちてきます。何と、ゲンキンな。我ながら、いい歳して可笑しいです。しかし、今年は、あとひと月余で御代替わりですね。三浦先生、我々日本国民は、不穏な時期に新しい御代を迎えねばなりませんが、新時代もどうぞガンガン行って下さい。ムハマティさん、ダイチンさんと居られる時の、静かに論を展開される三浦先生と、街頭で熱弁を奮っていらっしゃる、熱血小太郎先生の両方に期待しております。
  2. Kazu Emu より:
    日本ウイグル協会 代表:イリハム・マハムティ氏のお名前を、「ムハマティ」と間違えました。誠に失礼致しました。
  3. Yoshi Nomura より:
    初めまして。
    私が「四季」に触れたのはカール・ミュンヒンガー指揮のシュトゥットガルト室内管弦楽団によるLPでした。バッハの組曲やブランデンブルクもこの組み合わせで親しみました。「イ・ムジチ」の「四季」は、フェリックス・アーヨの実演奏を聴いています。非常に精悍な顔の男前だったと記憶します。もう60年も前になるんですね。

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