家族会・救う会の北朝鮮宛メッセージについて 

この投稿については、おそらく皆様からご批判の多いことと思います。家族会の気持ちを思いやれ、と怒る方が多いとも思います。ただ、言っておかなければならないことなので書かせていただきます。

既に時間がなく、ご家族も、そして、被害者の方々も高齢化しています。時間はあまり残されていません。その中では、あらゆる手段を取るべきだというのも理解は致します。また、家族会の発言に関しては、私はそれがどのようなものであれ、家族の意思として尊重し直接の批判をするつもりはありません。

しかし今回の「家族会・救う会の北朝鮮指導者へのメッセージ「全拉致被害者の即時一括帰国を決断していただきたい」は、救う会と家族会の連名で出されています。その中の、私とは意見の異なる部分についてはやはり書かせていただきます。

「全拉致被害者の即時一括帰国が実現するのであれば、私たちは帰ってきた拉致被害者から秘密を聞き出して国交正常化に反対する意志はありません」(メッセージより)

この言葉は、例えば外務省が北朝鮮との秘密交渉の中で言うのならば、また約束するのなら、私はあえて言えばそれもありだと思います。被害者を助け出すためには、どんなに屈辱的でも、たとえ相手が「テロリスト」「誘拐犯」であっても交渉しなければならないこと、時には相手に譲らねばならぬ時もあることを、私は政府担当者や外務省であるならば全否定するものではありません。

しかし、救う会や家族会がこのことを言う必要はあるのでしょうか。「無理に拉致被害者から秘密を聞き出すことはない」というのは、今更言う必要は全くないことです。現に、これまで帰国した拉致被害者の方々に、無理やり何かをしゃべらせるなどということは日本政府もまた救う会も行ったことはないでしょう。被害者は強制的に語らねばならない責務などないのは自明のことです

確かに、荒木和博さんは何度か手紙を出し、被害者の方に語ってほしいと公開の場でも呼びかけましたが、だからと言って荒木さんが強制的に被害者の口をひらかせなどしていませんしできるはずもありません。

ただし、もしも北朝鮮で何があったかを語ろうとする被害者がいた場合は、それはここ日本には言論の自由があります。それは国交正常化にプラスだろうがマイナスだろうが自由に語っていただくのは当然で、また、その言葉を私たちは貴重な被害者、体験者の言葉として傾聴するべきでしょう。

ただし一言余計なことを言えば、加害者は語る責任はあるはずです。犯罪者が自分の罪を沈黙し隠れる「権利」は少なくともないでしょう。その意味で、あくまで建前を言えば、北朝鮮とその協力者たちには犯罪行為の全貌を語り謝罪する責務はあります。それを今問わないのは「順序」の問題として仕方がありませんが、基本的には犯罪者を見逃すことになりかねません

また、「国交正常化に反対する意志はありません」というのも、もちろん言葉の意味としては前段の「秘密を聞き出して」にかかることはわかっていますが、これも誤解を招きかねない言葉ではないでしょうか。テロ国家と国交正常化するか否かは、あえて言えば拉致問題とは違う次元で考えるべき問題です。

このメッセージは米朝会談直前のものとして、家族会の思いを受けて、救う会が様々な戦略を考えたうえで出されたものでありましょうし、私の知らぬ情報や作戦もあるとは思います。ただ、このようなメッセージに対し、北朝鮮との国交正常化に反対する私が沈黙することはできませんので、あえて誤解を恐れず書かせていただきました。

このメッセージ全文は救う会ホームページをご覧ください。

家族会・救う会の北朝鮮指導者へのメッセージ
「全拉致被害者の即時一括帰国を決断していただきたい」
               2019年2月17日 東京
http://www.sukuukai.jp/
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