「酋長の復権」(「日本衆愚社会」呉智英著 小学館新書)より

最近読んだ呉智英氏の著書「日本衆愚社会」(小学館新書)は、1ページごとに、「ものを考える姿勢」を教えてくれる名著ですが、そこにとても興味深いことが紹介されていたので記しておきます。

「朝日新聞に新しい潮流が見られる(ような気がする)。2017年3月2日夕刻の『続・南の国境をたどって』を読んで、そう感じた。与那国島の伝説の女傑の話である。

『昔、与那国島に女性の「酋長」がいた。言い伝えによると、名をサンアイ・イソバという。4人の兄弟を村々に配置し、自分は中央の村にいて島全体を統治していた。巨体で怪力の豪傑だった。』

今を去る500年ほど前、宮古島からの襲撃を受けた際、これを蹴散らした。「外敵から島を守った英雄として、サンアイ・イソバの話は島民の間で代々伝えられ」「陸上自衛隊が与那国沿岸監視隊のシンボル・マークに採用した。

サンアイ・イソバ、かっこいいじゃないか。(中略)それに何と言っても「酋長」がいい。「酋長」は、ここ30年ほど差別用語として使用禁止になっていた。北海道の「酋長岩」もアイヌ団体の抗議によって禁圧されたし、アメリカの「インディアンの酋長」は、インディアンの抗議などないまま禁圧された。その抑圧の鉄鎖が朝日新聞の記事によって断ち切られた(ような気がする)」(ここまで引用)

私は「酋長」が差別用語であるとはこの本を読むまで知りませんでした。しかし、ネットで観ると「未開の部族の長」という意味を含むため、現在では使用が忌まれる傾向にある、とあります。(ウィキペディア)

しかしこのあと呉氏が指摘するように、「酋長」の「酋」とは、集団の長、かしら、傑出したもの、の意味であり、さらに「酉」は、酒樽の象形文字で、熟成を表し、上の「ハ」は、そのお酒の香りを表します。人間として成熟したリーダー、と考えれば、何ら差別的な意味はありません(歴史的経緯はありますが、それはここでは略します)呉氏の記事はネットでも読めるようなので、興味のある方は探してみてください。ただ、私はやはり本をお勧めします。

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