11月2日から4日まで韓国に行ってきました

今回韓国のソウルに行ってまいりましたが、李エラン氏という脱北女性の発信しているテレビに出させていただき、主としてウイグルの人権問題(これが韓国ではまだほとんど伝わっていないようです)についてしゃべってきました。あとは定期的に行われている大極旗デモに参加。ちゃんと数えたわけではありませんが、だいたい3000人くらいの参加だったとのことです。

私的な席でしたし、通訳を介しての会話ですので、ここではお名前はあげず基本的に私の責任で紹介しますが、デモ参加者の方々との会話の中で、彼らが語っていたことを要約します。

「韓国の問題点は、日本と違って自主的な近代化をしていないこと。日本は明治維新以後、いろいろ問題はあったにせよ自分たちの力で近代国家をつくった。韓国は国民の力で近代化や民主化を建設したわけではなく、ある意味では外国の力によって近代化された。だから、このような国民運動でも、すぐ英雄待望論に陥りがちで、一人一人が運動の主体だという意識をもっと持たないといけない」

「日本の近代化の偉大な知識人は福沢諭吉と渋沢栄一、特に渋沢栄一の偉大さは韓国が学ぶべきこと」

「韓国の大きな欠点の一つは、今でも封建的な価値観から、経済人を軽んじる面があり、今の韓国を発展させてきた経済人、企業人を正当に評価しない。」

「北朝鮮による侵略は、まず文化面で完全に成功した。マスコミや教育界はそのあと。その意味では、社会主義者グラムシの、発展した資本主義国では労働者の蜂起による革命はあり得ない、しかし、文化、教育、法制などで左翼がヘゲモニーを握ることによって社会を内部から共産主義化するという作戦が、最も成功したのが残念ながら韓国、特に映画界での最近の反日映画などは語るのも恥ずかしい作品」

「映画などでは、今の主流の文化的傾向である左派的な主張を描けば、それだけ支援を受けやすい(文化的にも経済的にも)面がある。それで、映画人の中にはそちらになびいたり、力不足の監督でもそのような企画なら通ってしまう面もある」

「韓国の危機は朴正煕大統領暗殺から急速に始まっている、盧泰愚大統領が民主化を宣言した時に、真の民主主義者だけではなく、共産主義者や親北派など、民主主義を破壊する勢力をも自由にしてしまった」

「資本主義の矛盾を批判して共産主義者になるのはまだ理解できるが、現在の韓国の従北派(北朝鮮支持者)は共産主義者ですらない。ソ連や中国、北の実態がこれだけ明らかになったのにその幻想を信じている人たち、その体制を支持している人たちとはもう会話は成り立たない。」

「徴用工問題をはじめ、1965年の日韓条約以前の問題を現在持ち出すのは全くの時代錯誤、重要なのは現在の北韓や中国の人権問題のはず」

このような対話が少しできたからと言って、現在の韓国の状況を思えば楽観的になれる面はほとんどないです。彼ら自身、危機感は強く持っており、もっと韓国が追い詰められなければ逆に目覚めないし、もう遅いかもしれないという趣旨のことを言っている人もいました。また、あくまで個人的に歓迎されている場での発言であることは割り引くべきでもあるでしょう。ただこういう声は今の時点ではあまり紹介されないと思うので、ここに私の文責で記しておきます

私が実は今考えているのは、韓国の現在の状況、ちょっと60・70年代日本と通じている面があるように思うこと。そのことをこんな風に言ってみました。

「かって日本でも、韓国朴正煕政権をヒトラー、ファシスト政権とよび、中国の文革を礼賛、北朝鮮を支持、アメリカを一方的に悪者に仕立て、保守政権をその傀儡とみなす言論がありました。今の韓国と共通するものをちょっと感じますね」

それに対し、韓国の方が「日本はどうやってその危機を乗り越えたのですか」と問われたのですが、私はうまく答えられませんでした。ただ、当時の日本の政治家にも、また国民にも、例えばソ連によるシベリア抑留などの体験、第二次大戦を直接体験した世代の感覚などから、共産主義や左翼の嘘を本能的に見抜く力があったこと、それは当時の韓国の朴政権も、アメリカの保守も共通するものがあったのではないでしょうか、と言ったことしか言えなかったように思いますが、これは考えてみてもいいテーマかなと思いました。

皆さんに、もし未読ならばぜひおすすめしたいのは「悪魔祓いの戦後史」(文春文庫 稲垣武著)これは単なる左派文化人批判ではなく、日本の戦後史の思想潮流がよくわかる本。著者は現在の視点や資料で過去の左派の発言を叩くのではなく、あくまでその時点でも公開されていた資料に左派文化人が目をふさいでいたことを批判している公正な本です。特にベトナム戦争についての記事は圧巻。一冊本棚に置いておくことをお勧めします

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One Response to “11月2日から4日まで韓国に行ってきました”

  1. 蘇六 より:
    「日本はどうやってその危機を乗り越えたのですか」への答えは簡単です。
    その当時の日本人は、メディア・言論界のふわふわした言論に踊らされない程度に重厚だったのです。
    その象徴は東京裁判でA級戦犯とされた人々をも靖国神社に祀ることに賛成したことです。

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