ちびまる子ちゃんとノストラダムス

漫画家のさくらもも子さんが亡くなりました。「ちびまる子」のそれほど良い読者ではなかった私ですが、あの作品の中のノストラダムスのエピソードはすごく印象に残ってます。今確認しましたら「まる子 ノストラダムスの予言を気にする」で、単行本では第8巻、後にはアニメにもなったとのこと。手元にないのでうろ覚えですが大筋は間違ってないと思います。

ご存知の方も多いと思いますが、まる子は「1999年、人類は滅亡する(本当はノストラダムスはそんなこと言ってないんだけど)」というノストラダムスの予言を知り、もう世の中はどうで終わっちゃうんだ、と思い込んで、明日の算数のテストにも身が入りません。「どうせ人類は滅亡するんだ。勉強したってしかたがない」

しかし、ここでお姉さんが一言。「じゃあ、もし1999年に何にも起こらなかったらどうすんのよ。あんた、そのまま馬鹿な大人として生きていくのよ。1999年に何が起きるのかなんてわかんないけど、今夜勉強しないでテストで悪い点とったら、あんた確実に怒られるのよ」

これはまじめに思うのですが、この漫画ってすごい奥深いこと言ってる。「●●年に世界は滅亡する」と言って信者を恐怖で取り込もうとするカルト宗教にはまってしまった人たちが、もし子供のころこの漫画を読んでいたら多少はそんな脅しを客観的に見る力があったんじゃないかとすら思う。

かくいう私も、五島勉氏の「ノストラダムス 大予言の秘密」(カッパブックス)を発売直後に中学生の時に呼んで衝撃を受けた一人です。前にも書いたように基本的にこの手のものにはまりやすいタイプですからね。ただ、その後(確か高校生の終り頃だったか)高木彬光氏の「ノストラダムス 大予言の秘密」(角川書店)を読んで、五島氏の本の「からくり」がよくわかってしまって、それ以後はノストラダムスには全く興味を失いました。

高木氏は推理小説家ですが、占いや預言にも関心が深く、逆に、占いや預言を恐怖をあおる形で使っては絶対にいけない、という信念を持った人でした。五島氏が、翻訳というより、「超訳」で、ノストラダムスのよくわからん預言詩を現代の事件に無理やり結び付けるやり方を丁寧に批判し、五島本が、スリラー小説や怪談話として読まれるのなら何も言わないが、本当に起きる滅亡の預言書として宣伝され、まじめな少年少女を恐怖に陥れるのはけしからん、という点をきちんと指摘していました。

さくらもも子さん、ちびまる子さんシリーズにはもっとたくさんのいい作品があるのでしょうが、今日はちょっとノストラダムスをめぐる作品を思い出しました。素晴らしいマンガを多数残されたさくらさん、本当にありがとうございました。でも、ちょっと早すぎるよなあ・・・

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