ロバも死んだライオンならば蹴とばせる

これは自戒を込めて書いておきます。
ソ連崩壊直前に放映された朝まで生テレビで、ソ連のジャーナリストもコメンテーターで出演していた。彼ははっきりと、ゴルバチョフを含めて、ソ連の体制が間違っていたことを発言し、それはとても良心的で説得力のあるものだった。

しかし、その場で聴衆としてスタジオに来ていたソ連の若い留学生が、マイクを向けられて答えた言葉は、ちょっと感動してしまった。そのジャーナリストに対して、確かにソ連共産党は間違っていた、自分たち留学生も事実上監視下にあり弾圧されていたことを述べたうえで、しかし「これまでずっと共産党にいて、その政策に反対もしないで(正直利権も得ていて)今、共産党が解体寸前になったら批判をするのは男らしくない」と語ったのでした。

この批判は厳しすぎると言えばいえる。ただ、ロシアには「ロバも死んだライオンならば蹴とばせる」という、私個人も大好きなことわざがある。ライオンが王者として君臨しているときに、彼の暴政に戦いを挑むのは立派で勇気のいること。しかし、もうライオンが死んだときに、その死骸を蹴とばし唾を吐くことは誰にでもできる。むしろ、その時に、今ライオンを蹴とばす権利が誰にあるのか、と抗することの方が勇気がいるかもしれない。

最近私自身を含めて、ライオンが死んでから蹴飛ばすことは恥ずかしいことだ、という気持ちを失いつつある気がする。あのソ連の留学生が今ロシアでどう生きているかはわからないが、きっと立派なロシア国民になっていることと思う。
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