「ダライ・ラマ声明1961一2011」(集広舎)が発売されました。

「ダライ・ラマ声明1961一2011」(集広舎)が発売されました。1961年から2011年まで、ダライ・ラマ法王が毎年3月10日(1959年、チベットの首都ラサでチベット民衆が決起し、中国軍の残酷な弾圧を受け、完全に中国軍の占領下におかれた日)発表してきた声明をまとめたものです。ここで、1961年のものを紹介します。

「1959年3月10日、チベット国民がチベットの独立を重ねて主張した時、外国支配による苦しみはすでに9年間に及ぼうとしていました。残念ながら、チベットは今なお他国による支配が続いています。しかし私は、チベットの人々が挫けずゆるぎない精神を持ち続けていること、そして独立を取り戻すその日まで闘い続ける覚悟であることを知り、誇りに思っています。」(中略)

「先日、国連総会において植民地独立付与宣言が決議されました。チベットは最近まで独立国でしたが、現在は植民地の状態にあります。いずれにせよ、私たちには自決権を否定される理由がありません。」(中略)

「また、インド、ネパール、ブータン、シッキムに亡命した何千人もの同胞には、祖国に帰還できたその日のために、より幸せな独立国家チベットを築く準備をするという重い責任が私たち一人一人にあるのだということを覚えていてほしいと思います。」

「新生チベットには、技能を身に着けた何千もの男性と女性が必要となります。また、チベット独自の精神文化や伝統宗教を民主主義の精神と調和させていくことも求められるでしょう。」

「今日、中国共産主義政権は彼らの呼ぶところの『改革』によって、チベット本土のチベット人の喉元を押さえつけています。(中略)改革の終わりには、チベット人は精神的・経済的隷属状態に陥るという結論に至りました。」

「このような改革は、国連憲章にも世界人権宣言にも一致しません。私は、改革というものは、知性や倫理、宗教の自由を維持するものであると同時に、国家の富を公平に分配するものでなければならないと考えています。」

「(私は)改革はあらゆる領域で受け入れられるものでなければならず、国民が政府の方針や国の行政に深くかかわっていけるように、政府の構造も広範囲にわたり改革する必要がある。より良い政治制度や宗教制度を築く責任は、私たち一人一人が担っているのである』というお話もしました。」(中略)

「(チベットにおいて)何千もの人々がこれまでに、そして現在も、外国支配を受け入れることを拒んだというただそれだけの理由で殺されています。世界中の皆様には、どうかこのことを忘れないでいただきたいと思います。」

「『神のみぞ知る』という言葉があるように、チベット内外のチベット人の皆さんには、チベットの苦しみが無益に終わるはずがないということを覚えていてほしいと思います。真実と正義という大義は必ずや勝利し、恐怖と苦痛にまみれたこの夜は、チベットとチベット国民が輝かしい夜明けを迎えるためにあったのだと思える日が必ずやくるに違いありません(後略)」

(「ダライ・ラマ声明1961一2011)

残念ながら現在に至るまで、チベットは植民地下にあります。しかしこの1961年の時点で、法王はすでに、チベット社会の改革や民主化をチベット文化伝統に沿って行うことの必要性、中国共産党の支配下における「改革」とはそれとは全く無縁であること、また、「改革」の名の下で富の格差が進んではならないことまで指摘していました。このような声明がまとまって本になったのもありがたいことですが、こうして1961年の声明を改めて読むと、世界は(日本ももちろん)「真理と正義の声」に真剣に耳を傾けてこなかったことをいまさらながら感じざるを得ません

You can leave a response, or trackback from your own site.

Leave a Reply

Subscribe to RSS Feed