トランプ大統領の韓国国会演説、ちょっと感動してしまった

今はちょっと解説する時間がないのですが、私は今回のトランプ大統領の韓国国会での演説、読売新聞で読んで、ちょっと感動した。訪問国の韓国について評価するのは当然として、北朝鮮の現体制について、単に核問題だけではなく、人権問題にここまで具体的に触れてくれるとは思わなかった。

トランプ大統領への評価は色々あるでしょう。しかし、韓国の大統領が本来国際社会に訴えるべき北朝鮮の実態について、大変踏み込んで話した政治家は、正直他の国でほとんどいない。言いにくいが、日本の政治家もここまでは語っていない。反米も反トランプも一つの政治的姿勢として結構。しかし、ここで述べている北朝鮮の現実に対して看過しているのならば、その人は人権とか平和とかあまり語らないでほしい。

この演説の政治的な意味は色々考えられるだろうが、私は言うべきことを言ってくれたという一点において、この演説を記録しておきたく思います。以下、読売新聞より引用します。

(前略)

北朝鮮はカルトに支配された国だ。この軍事的なカルトの中核にあるのは、朝鮮半島を征服し、朝鮮民族を隷属させることにより、父なる保護者として支配することこそが指導者としての宿命だと信じる錯乱した信念だ。

 North Korea is a country ruled as a cult. At the center of this military cult is a deranged belief in the leader’s destiny to rule as parent protector over a conquered Korean Peninsula and an enslaved Korean people.

 韓国の奇跡は、1953年に自由な国々の軍隊が進撃した地点――ソウルから北へちょうど24マイル(約38キロ・メートル)の地点までしか届いていない。そこで終わり。すべてが止まった。行き止まりだ。繁栄はそこで止まり、残念ながらそこからは監獄国家、北朝鮮が始まる。

 北朝鮮の労働者たちは、耐え難い状況下で、へとへとになりながら何時間もほぼ無給で働いている。最近、すべての労働者が70日間連続での労働を命じられた。休みたいなら金を払わなければならない。

 北朝鮮の家族は、給排水もない家に暮らし、電気が来ている家は半分にも満たない。親たちは、息子や娘が強制労働に送られるのを免除してもらおうと教師に賄賂を贈る。1990年代には100万人以上が餓死した。今日も飢えによる死者が続いている。

 5歳未満の子供たちの約30%は、栄養失調による発育不良に苦しんでいる。北朝鮮政権は2012、13年に、その独裁者たちをたたえる記念碑や塔、像をこれまで以上に建造し、それに費やした費用は約2億ドルに上ったと見積もられる。これは、国民の生活改善に充てた予算の約半分に及ぶ。

 北朝鮮の経済の貧弱な成果の分け前は、ゆがんだ体制に対する見かけの忠誠心を尺度に分配される。残忍な独裁政権は、平等な市民を尊重するのとはまったくかけ離れたやり方で、国家への忠誠心といういい加減な指標で国民を値踏みし、点数をつけ、ランク付けする。

 最高の忠誠心を持つと評価された者は首都平壌に住める可能性がある。最低の評価を受けた者は飢える。ちっぽけな違反行為によって、たとえば、捨ててあった新聞に掲載された独裁者の写真に誤って染みを付けただけで、何十年にもわたって家族全員の社会的な地位が地に落ちることになる。

 北朝鮮では推定で約10万人が強制収容所で強制労働に従事させられ、日常的に拷問や飢餓、レイプ、殺人にさらされている。

 祖父が反逆罪に問われたために、ある9歳の男の子が10年間も監獄に入れられた事例が知られている。別の例では、ある生徒が金正恩キムジョンウンの伝記のほんの細かい一節を忘れただけで殴打された。

 兵士が外国人を拉致し、北朝鮮のスパイのための語学教師として従事させてきた。

 朝鮮戦争以前、キリスト教徒の拠点の一つだった地域では、キリスト教徒やほかの信仰を持つ人々は、今日、祈りをささげたり聖典を持っていたりしただけで、拘束され、拷問され、多くの場合、処刑されることさえある。

 北朝鮮の女性は、民族的に劣等と見なされる赤ちゃんの中絶を強いられる。新生児は殺される。

 中国人の父親との間に生まれたある赤ちゃんは、バケツに入れて連れて行かれた。衛兵は、不純で生きる価値がないと言い放った。

※(三浦注)北朝鮮から飢えのために脱北し、中国で中国人男性の子供を妊娠した難民女性は、北朝鮮に送還されれば、強制的に堕胎を強いられ、その赤ん坊は殺されます。「雑穀の種をはらんだな」などという言葉も浴び去られるという証言もあるようです)

 それなのに、中国は北朝鮮を支援する義務をなぜ感じるのだろうか。

 北朝鮮で暮らすことの恐怖があまりにひどいため、国民が政府の役人に賄賂を渡して、奴隷として国外へ送り出してもらおうとするほどだ。北朝鮮にとどまるくらいなら、奴隷の方がましだと考えるからだ。

 逃亡を企てることは、死刑に値する犯罪だ。脱北者の一人は言う。「今思うと、私は人間ではなく、まるで動物のようだった。北朝鮮を出て初めて、命とは何かわかった」

 歴史の実験室とされたこの半島で行われた、悲劇的な実験の結果を私たちは見てきた。それは一つの民族でありながら、二つになった朝鮮の物語だ。

 一つの朝鮮では、国民が自分たちの生命と国家を支配し、自由と正義、文明の将来を選び、信じられない成果を出した。もう一つの朝鮮では指導者たちが、専制政治とファシズム、圧政の旗印の下に、国民を投獄している。この実験の結論は、完全に明白だ。

 1950年に朝鮮戦争が勃発した時、二つの朝鮮で、1人当たりの国内総生産(GDP)はほぼ等しかった。しかし1990年代までに、韓国の富は北朝鮮を10倍以上も上回った。今日、韓国経済は40倍以上も大きい。ちょっと前に同じレベルだったのが今は40倍になっている。韓国のあなたたちが正しいことをしている。

 北朝鮮の独裁がもたらした苦痛を考えれば、これほどの差がついた容赦ない現実から国民の目をそらすために、独裁政権がますます絶望的な手段に訴えようとすることも驚くほどではない。

 政権は何にもまして真実を恐れている。実質的に外の世界との接触をすべて禁じているのはそのためだ。私の今日の演説だけでなく、韓国でのありふれた日常の様子さえ、北朝鮮の人々が知ることは禁じられている。西洋や韓国の音楽は禁止されている。外国の出版物を持っていることは、死刑に値する犯罪となる。市民がほかの人をスパイする。自宅がいつ捜索対象となるかわからない。市民の一つ一つの行動が監視対象となる。社会にあるのは活気どころではなく、北朝鮮の人々は目覚めている間中、国家のプロパガンダを浴びせられる。

 北朝鮮はカルトに支配された国だ。この軍事的なカルトの中核にあるのは、朝鮮半島を征服し、朝鮮民族を隷属させることにより、父なる保護者として支配することこそが指導者としての宿命だと信じる錯乱した信念だ。(以下略、読売新聞記事より)
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