香山氏であれ百田氏であれ講演会の中止は残念なこと。この手の自主規制は言論の自由を危機にさらす

西村幸祐氏のフェースブックに、以前、百田尚樹氏一橋講演会中止についてこういうことを以前書きました。その上で香山リカ氏の講演会中止についても書いておきます。こういう時は公平でないといけないので

小林よしのり氏があまりにも無理解なことを書いていて残念。以下、『』内は小林氏の言説。

『百田尚樹の件は言論弾圧ではない

一橋大学での百田尚樹の講演会が中止になった件が「言論弾圧」と言ってるが、真の「言論弾圧」とは、権力が民間人の言論を弾圧することを言う。

民間人の批判や圧力で、講演会が中止に追い込まれる場合は、主催した奴らが腰抜けだったということに過ぎない。

信念もなく、客が呼べそうだと、単なるお祭り感覚で呼ぼうとしただけだから、批判に対応できずに、腰砕けになっただけだろう。

批判されるべきは、主催者であって、産経新聞が、百田を被害者に仕立てているのは、アホ丸出しである。

ましてや百田が「言論弾圧」と言うのは笑わせる。

むしろ、小林よしのりが自民党の宏池会系の若手議員たちから勉強会に呼ばれていて、直前でキャンセルになったことの方が重大ではないか。

安倍政権から、つまり権力からの圧力で、小林よしのりの言論が封殺されたことになる。

もちろん、主催した議員たちの腰抜けぶりにも問題があるのだが、今の自民党議員は、執行部に逆らったら、選挙で公認されない危険性もある。 だから今の自民党内には、言論の自由がないのだ。

そして、小林よしのりの勉強会が中止に追い込まれたその日に、安倍シンパの議員たちが勉強会を開いて、そこに呼ばれていたゲストが百田尚樹である。

自民党内では、百田尚樹の意見は歓迎されるが、小林よしのりの意見は封殺されるのである。

そしてその百田の勉強会の席で、沖縄の新聞は潰せとか、広告を出すスポンサーに圧力をかけろとか喚いていたのである。

こういう事実を一橋大の学生たちは知っていたのだろうか?

しかも、百田が一橋大で講演しようとしていた内容が「現代社会におけるマスコミのあり方」というのだから、その内容のレベルは推して知るべしではないか。

一橋大学の学生たちにもネトウヨがいるのだろう。

しかし、本当に馬鹿ばっかりになったな。』

http://blogos.com/outline/227269/

この小林氏の意見は極論。国家権力による弾圧以外は言論弾圧ではない、というのは現代社会における「圧力」が、権力からではなくしばしば無形の同調圧力、もしくは「人権ファシズム」(こういう矛盾に満ちた言葉でしか表現できないが)からくることを理解していない。学生側の「お祭り感覚」といっても本当に大学の御祭りなんだからお祭り感覚で呼んでかまわないはず。ただ、私はこういう時学校当局があくまで主催者を守ってやらなけりゃいけないと思う。かっての学生運動の時代ならゲバ棒で講演会を防衛したぞとか言う但馬オサムさんの意見も理解はできるのだが、運動家としての学生と、大学祭の実行委員という、たぶんノンポリでお祭りをとにかく盛り上げたかった学生を同次元で語るのもかわいそうだ。

でも、学生たちは今回、いい勉強をしたと思う。悔しかっただろうし怖かったかもしれないが、これにくじけず人生の経験として踏まえればきっと将来力になる。脅迫に負けたことを恥ずかしく思うことはない。むしろ、圧力と戦うためには、知恵も、味方を増やす努力も、論理武装も、場合によってはお金も必要なことを学んだのだから、この経験を人生で生かすときがきっとくる。(終)

ここまでが西村氏のフェースブックに書いた部分、以下は、今回の香山リカ氏の江東区での講演会が、匿名の抗議によって中止に追い込まれた件について書いたものです。

今回の香山リカ氏の講演会中止、これは江東区側が完全に悪い。香山リカ氏を講演会に呼べば抗議が来ることくらいはわかっていたはずで、それでも呼ぶ以上、警備も含め、公的な組織なんだから責任をもって対処するのは大前提のはず。報道によれば抗議は匿名のメール他20件。これで中止なら、今後は講演会に抗議すれば中止にできるという悪しき風潮まで生んでしまう。警察にも立場はあろうが、そもそもこういう時に警備し、いかなる意見であれ、講演者を守るのが警察の仕事だ。香山氏の主義主張に私は正直批判的だし、最近の言説は、彼女の本を80年代ごろ読んだことのある自分としては、こんな感情論や攻撃性丸出しの言葉を書く人ではなかったのにと思うのだが、それとこの問題は別だ。

学園祭を主催する学生に対しては私は責めたくはない。しかし、今回は江東区という公的機関が、匿名の抗議で一度決定した講演会を中止したというのはいくらなんでも情けない。昨年まで私が区民だった江東区でこんなことが起きたことは本当に残念。私は百田氏の小説は読むが講演会にはいかないと思うし、香山氏の講演会にも行くつもりはない。しかし、たとえ私が100%否定する論者の講演会であれ、講演会自体に抗議するとか中止にしろとメールするとか、そんなことは考えてもいない。今回に関しては小林氏の言う「主催した奴らが腰抜け」だったという言葉を、残念ながらわが愛した故郷の江東区に送るしかない。

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