12月4日の上映会にご参加いただき、誠にありがとうございました。17,18日もよろしく。あと12日までブログ休みます。

昨日12月4日、中野での「決戦の大空へ」上映会、約30名の方にご参加いただき、まことにありがとうございました。主催者の佐藤和夫様の尽力によるものと思います、改めて佐藤様の日ごろの地道な活動に感謝いたします。「決戦の大空へ」では、予科練の生徒たちによる美しい飛び込みのシーンやスポーツのシーン(楽ビーやっているのはかっての日英同盟の名残?)がありますが、あれは完ぺきにベルリンオリンピック映画「民族の祭典」の影響受けています。あと、飛行機のシーンは若き日の円谷による見事な特撮。そんなところも見どころの映画です。

当日ちょっと話したのですが、16歳の原節子が大ブレイクした作品「新しい土」は、ドイツの山岳映画監督で当時はヒット作家だったアーノルド・ファンク、そして日本側協力監督が伊丹万作だったのですが、伊丹はどうにもこの映画に疑問があり、お互いがかみ合わないまま作品が2ヴァージョン出来上がりました。いま一般にDVDで販売されているのはファンク監督のものですが、日本国内ではヒットはしたものの批評家の受けは賛否両論。しかし、ドイツではナチスの肝いり映画として、原節子も含めて大絶賛されていました。当時、ドイツを訪れた原節子は大歓迎を受け、ゲッペルスと並んだ写真も残されています(もしも興味のある方は、「原節、ゲッペルス」で検索ください)

しかし、四方田犬彦氏の名作評伝「李香蘭と原節子」(岩波書店)に詳しく述べられているように、大歓迎の裏で、当時日独伊防共協定を結び一応は「友好国」だったはずのドイツで、原節子たち日本の映画人たちは、有色人種への差別、日本への無知を目の当たりにし、自分たちも大変傷つきます。原節子を映画界に導いたというべき映画監督で義兄の熊谷久虎は、この時のドイツをはじめ欧米での屈辱体験から、この後急速に、神がかりめいた日本主義団体「スメラ塾」を結成、そしてドイツでの悪しき影響としての反ユダヤ主義にのめりこんでいきました。熊谷は初期には「情熱の詩人 啄木」(1936年)では進歩的な知識人啄木が、生徒には慕われるが村の大人たちの偏見から学校を追われていく姿を描くなど、ある種の社会派作家だったのですが、「阿部一族」で武士の殉死の美しさを描き、また「上海陸戦隊」で日本軍の強さと精神の気高さを描くなど、次第に作風を変貌させ、ついに映画製作そのものから身を引き政治的な活動に傾いていったのは、おそらく欧米での差別体験によるものが大きかったのではないでしょうか。

アーノルド・ファンクもまた、「新しい土」以後が映画を撮ることなく、1940年にはナチに入党。戦後は完全に沈黙したまま世を去りました。熊谷も同様、「ノンちゃん雲に乗る」などの製作にかかわることはあったものの、敗戦直後は戦争協力者として指弾され、いくつかの作品を撮影しましたが、未見の私が言うのは何ですがほとんど評価を受けることなく、映画界から事実上去っていき1986年亡くなりました。ファンクが、熊谷が、果たして戦後、小津映画で素晴らしい演技をみせた原節子の諸作品を果たしてどう見ていたのか、それを知ることのできる資料は何もないようです。二人とも、弁明も反論もすることなく、沈黙を守り続けたのでした。これもまた歴史のドラマのように思います。

さて、以前もお知らせしましたが、12月17,18日、下記の上映会&忘年会があります。興味のある方はお越しください。

1,12月17日(土) 映画「マンドハイ」上映会のお知らせ

今年は個人的にモンゴルの運動に多少協力させていただいた年でしたが、年末、モンゴル共和国映画「マンドハイ」の上映会を行います。

(あらすじ)明により元帝国が滅ぼされ、ふたたび部族間の内部闘争に明け暮れていた15世紀後半のモンゴルが舞台です。モンゴル草原の娘、マンドハイは恋人と引き離され、マンドール=ハンの妃として強引に後宮に入れられました。やがて娘が生まれましたが、マンドール・ハンと娘は謎の死を遂げます。マンドハイは、マンドール・ハンの甥、少年ダヤン=ハンを即位させ、自らその妻となり、さらにはモンゴルの団結と統一国家を目指して戦場に赴きます。しかし、明国と通じるモンゴル宮廷では、様々な陰謀が企まれていたのでした・・・

モンゴルを舞台の映画は多くありますけど、これほどのスケールと何千人という騎兵部隊が、しかも見事に活躍する映像を見せてくれた映画は、少なくとも私は知りません。1988年、モンゴル共和国にて公開されました。DVD化はまだされていませんので、ぜひこの機会にご覧ください。(174分の大作です)

日時 12月17日 午後1時半開場 2時上映開始

参加費無料、事前申し込み不要、直接会場においでください
場所 かめりあプラザ(亀戸文化センター)第3研修室(江東区亀戸2-19-1 カメリアプラザ内 JR亀戸駅北口下車3分)
主催 モンゴルの歴史を学ぶ会
協力 江東映像文化振興事業団
連絡先 三浦 miurakotarou@hotmail.com
2、NPO法人江東映像文化振興事業団 2016年度謝恩会のお知らせ

★市民文化の中に良質な映像文化を浸透させたい…、そんな思いから出発した当法人の設立から2年が経ち、謝恩会を開催します。

当法人の上映会に来たことのない方でも、 歓迎します。ぜひともお誘いの上、お越しください。
酒類 、軽食等用意した気軽なホームパーティーの趣向です
基調講演(21時過ぎ頃より)
『シン・ゴジラ、君の名は。、そして、この世界の片隅に …奇蹟の2016年』
その他、理事セレクトのプチ上映会 、活動報告、来年度の活動方針など
★会費おひとり様3,000円(飲み代込)一品持ち込み歓迎!

★日時 2016年12月18日(日曜日)19:30~ 23:00

★会場 サンシャトー四谷(301号室)

新宿区荒木町15サンシャトー四谷(301号室)
メトロ「曙橋」A4出口徒歩3~4分
http://kotomovie.org/

さて、ありがたいことにこんな私にもチャンスをくださる方がおり、原稿を一本雑誌に頼まれました。年末進行で急がねばならないため、きょうから12月12日まではブログ休ませていただきます。13日にまたお会いしましょう。

「マンドハイ」の音楽による言い映像を見つけたので紹介します。

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