脱北者、木下公勝著「北の喜怒哀楽 45年間を北朝鮮で暮らして」(高木書房)11月16日発売です

現在日本在住の脱北者、木下公勝氏の著書「北の喜怒哀楽」が、11月16日発売されます。アマゾンなどでも買えますので、ぜひご一読ください。木下氏が統一日報紙に以前数年間連載していた現状をまとめ、加筆修正したものです。

北の喜怒哀楽 45年間を北朝鮮で暮らして 

木下公勝著 高木書房 定価1512円

1960年、帰国事業で北朝鮮に渡った少年が

45年間の生涯で体験した北朝鮮の生活
炭鉱で死んだ親戚、日本人妻の悲劇、ソ連への密航、政治犯収容所の撤去工事
そして、どんな政治体制下にもある、日常のささやかな喜びと恋愛
ここには北朝鮮の人々の生活が息づいている

第一章 北朝鮮への「帰国」

第二章 北朝鮮での生活
第三章 炭坑での落盤事故
第四章 私の結婚と北朝鮮社会の実態
第五章 政治犯収容所の解体工事
第六章 私の見たソ連邦
第七章 金日成の死と社会崩壊
第八章 脱北を決意する
最終章 脱北者から見た日本

2014年に行われた木下氏の講演内容を紹介しておきます(北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会ホームページから)

12月5日、東京亀戸文化センター会議室にて、11月26日から30日まで、関東脱北者協力会メンバー7人にて韓国を訪問してきた木下公勝代表による報告会が行われました。

木下氏はまず、今回韓国を訪問し、韓国の民主平和統一諮問会議による歓迎会に招かれたが、そこでは、何よりもまず北朝鮮の人権問題、人権改善が第一の課題であり、具体的には、政治犯収容所の存在と、国歌保衛部による国民の監視体制、これは21世紀においてもはや存在を許されてはならないものだという点で韓国の人たちと意見の一致を観たと語りました。

続いて戦争記念館を訪れ、北朝鮮では自分たちは朝鮮戦争は韓国と米軍が北朝鮮に侵略してきたのだと教わってきたけれども、日本に来て、それは嘘で逆に北朝鮮の方が侵攻してきたことは知った、しかし、この記念館で具体的な資料や当時の記録などに触れて、まさにこの戦争こそが北朝鮮の犯罪であり侵略であったことが体に染みて分かった気がすると述べました。

また、在外同胞財団の理事の方々とお会いし、そこでは、朝鮮半島の平和統一と、罪のない北朝鮮民衆を救済し、核のない朝鮮半島を実現することについて話し合い、ここでも大変お互い共感することが多かった、そして、これらの理念を実現するには、どう考えても、今の金正恩体制を変えるしかないと確信したと述べました。

また、北朝鮮から韓国に向けて掘られた地下トンネルを見学し、実際にその中に入ってみたけれども、その幅と高さは2メートルほどで、北朝鮮は韓国と平和交渉をするように見せて実際にはこういうことをしていた、このトンネルこそ、韓国を侵略し、北朝鮮優位の統一を実現しようとする北朝鮮の意志の象徴であり、あの体制の性格を最も雄弁に語っていると木下氏は述べました。

そして、自分が北朝鮮にいたときに、地元の炭鉱町に除隊軍人が戻ってきた、その人と親しくなっていろいろ話していると、自分は長く軍隊にいたけれども、実は銃の操作も射撃もほとんど経験はない、その間はずっとトンネル工事をしていたよ、一本のトンネルをほるのに七年くらいかかるんだと笑いながら語っていたことを思い出し、まさにこのトンネル工事のことだったのだと語り、その人の手が、岩のように固い豆でできていたことを思い出すと述べました。

そして、自分は北朝鮮の現体制はもはやそう長くはもたないと確信している、それは、かの国の人権弾圧が国際社会にすでに知れ渡っているからだと指摘し、そしてとくに、日本と北朝鮮は国際的にも最も深い関係があることから、日本がもっとこの北朝鮮の人権問題にも取り組んでほしいと求めました。その関係とは、一つはもちろん日本人拉致事件、もう一つは、帰国事業。そしてさらに、かってソ連軍が第二次大戦末期満州に侵攻してきたとき、多くの満州の日本人が北朝鮮に逃れてきて、そこで亡くなった方が多いという事実もある、この人たちの遺骨は、畑を掘っていると時々見つかり、自分は北朝鮮の人から、これは日本人の骨だよと言われたことがあると述べました。

そして、ただ日本の最近の対応には不満も正直あると木下氏は述べ、まず、遺骨収集が話題になったり訪朝団が行ったりしているが、北朝鮮では、90年代の飢餓時期大量餓死が出たときに、きちんとしたお墓などほとんど作れなかった、そしてど饅頭のように埋めた墓が目立ったとき、それを知った金正日が、見苦しいから墓を処理しろと言ったということで、朝鮮人にとって先祖をまつるという意味で最も大切なお墓を一斉に崩されたことがある。それほど、死者を弔うなどという気持ちの無い北の政権が、かっての日本人の遺骨をきちんと保存したり立派な墓を建てているなどあり得ない、今の墓参は北朝鮮の遺骨ビジネスのためのものであり、あのような偽善的な北の態度に騙されないでほしいと述べました。

もう一つ日朝交渉について、木下氏は外交だから礼節は必要かもしれないが、北朝鮮は無実の日本人をさらった犯罪者であり、日本国は国民をさらわれ人権も主権も奪われた被害者であるという一点は絶対に忘れてはいけないのに、どうも外務省の交渉を観ていると、相手が犯罪者だという意識があまり感じられない、正直、テレビでわずかだが北朝鮮の日朝交渉のシーンが映ったのを観て、犯罪者の側の北朝鮮の方がえばっていて、被害者の日本が気を使っているように感じて、自分は本当に腹が立った、しかも何の成果もなく帰ってきたのは信じがたい、せめて具体的な成果がないにしても、相手方から、まだ調査が住んでいなくて申し訳ない、拉致という犯罪を改めて謝罪するという謝罪の一言だけでも取って来るべきだったと、怒りを込めて語りました。

http://hrnk.trycomp.net/news.php?eid=01112
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2 Responses to “脱北者、木下公勝著「北の喜怒哀楽 45年間を北朝鮮で暮らして」(高木書房)11月16日発売です”

  1. ぴたぽん より:
    年末年始にかけて数日間でゆっくりと味わいながら読みました。
    これまで様々な脱北者の方々が書かれたものを読みましたが、収容所生活を体験された方、帰還授業で北に渡った方の中でも在日だった方や在日のパートナーと共に日本を離れた日本人など、100人100様の暮らしがあったことでしょう。
    この木下公勝氏の本も本当に心に響くものでした。
    感情的にならずに淡々と描かれた北朝鮮での生活を、その裏にある生の気持ちを想像しながら、残り少なくなっていくページを惜しむ気持ちで読ませていただきました。
  2. miura より:
    ありがとうございます。多少なりとも出版に関わったものとしてうれしいです。「脱北者」とひとくくりにできないくらい、それぞれの人生があります。そこを大変丁寧に読み取っていただいたことに感謝します。

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