ショーケン(萩原健一)讃 この人ってボブ・デイランのボーカルスタイル絶対影響受けまくっている

萩原健一はもちろん人気あるんだろうけど、なんとなく私にとってはこの人いまだに過小評価されているような気がする。まさにテレビ史上の二つの大傑作「傷だらけの天使」と「前略おふくろ様」で、全く正反対というべきキャラを演じいずれも他の人では考えられない名演をしただけでも、この人は歴史に残るはずだし、今60,70年代を回帰するようなドラマや映画を観るなら、この二作は絶対、本物のあの時の日本人の感性が宿っていたものとしてDVDで見直してほしいと思います。「傷だらけの天使」のニヒリズムとダンデイズムは「真夜中のカウボーイ」に全然負けていないダメでみじめなカッコよさだったし「前略おふくろ様」って、人情ドラマだけど全然甘くないしきれいごとに終わらないところがよかった。(あとこの二つはいずれもオープニングが最高!)

同時に、歌手としてのショーケン、この人のボーカルスタイルってボブ・デイランやボブ・マーレイの影響をものすごく受けて、しかもそれをきっちり消化していると思う。例えばこの曲、いわゆるレゲエの物まねではなく、そのリズムとボーカルを本当に血肉化しているのでは。


ここでのショーケンの、ちょっと大丈夫かって思うほどの踊りにしても、まあ実際にやってたからドラッグの影響言われてもしょうがないのかもしれないけど、マーレイのライブでの踊りとか見るともうこんなもんじゃないですよ(まああっちもマリファナすいまくってたけど)。レゲエのリズムから来るスタイルとしてはとてもわかりやすいと思う。
しかし、越路吹雪さんのカバーとしてはやはりこれが最高傑作。キヨシローの「サントワマミー」もここまでのかっこよさはない。

そしてこの曲は、ボブ・デイランの「サラ」などのラブソングとすごく近いものを感じる。


中山康樹氏が、デイランの魅力は男の情けなさを歌えるところだ、という意味のことを言っていたと思うけどこのきれいなメロデイをわざとずらしつつ歌ってせつなさを漂わせるところ、言葉の大切な扱い、一曲の中でも様々に変わる声質、これは本当にデイランを聴きこんだ人か、そうでないとしたら、本質的にすごく近い人なのでは。

ショーケンには傑作のライブアルバム「DONJYUAN LIVE」という名盤があり、これなんかはロックがどうとかではなく、日本屈指のボーカリストの名盤としてもっともっと高く評価されてしかるべきもの。上記映像に興味を持たれた方は是非一度聴いてみて下さい・スタジオアルバムでは「D,ERLANGER(デランジェ)が捨て曲は一つもない名盤。

この人とか、沢田研二とか、もっともっと聴かれてもいい歌手。ぜひおすすめします。

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8 Responses to “ショーケン(萩原健一)讃 この人ってボブ・デイランのボーカルスタイル絶対影響受けまくっている”

  1. 山路 敬介 より:
    小太郎さんの言われる事が小生には実に恐ろしいくらい良く浸透し、理解できます。
    それに、話題もピタリです。
    (同年齢のせいと書こう思って「嘘の人権 偽の平和」の奥付を確認したら、これは私の勘違いで二歳ばかり小太郎さんのほうが上でした)
    文章には書いた人の品格や人間性がどう足掻いても出てしまうものですが、「カン・サンジュの批判はこれが最後」と書いてましたね。
    この批判は実に的確で、のみならず非常に深かった。(鄭大均さんのも愁眉でしたが)色々な人が批判しましたが、短文でありながらいづれにも増して、その深さでは小太郎さんに軍配が上がります。
    そして「批判は最後」というその潔さに納得しました。普段は人の批判を是としない小太郎さんが、一回こっきり、全身全霊で面と向かった批判という形での執筆をされたものだと良く理解できる文章だったからです。
    そこにはどうしても書かねばならない、という魂のようなものが宿ってました。

    また、いつかチャンネル桜の討論番組に出演なさっていました。

    早く小太郎さんが何か話さないかな、と見ていましたが、なかなか話しません。
    やがて振られて遠慮深げに話し出し、いまの世界の動きはナショナリズムと宗教の勃興だ、という。
    ギクリとしました。まったくの一言で世界の動きの本質を表現なさいました。
    宗教だのナショナリズムだのは、俗な売れっ子評論家どもは考えも付かないのですよ。
    みずから忌避しているうちに、そういうものの存在すら忘れてしまったのです。

    今回の萩原健一の話題ですが、これも小生の見解と一致します。

    この人はまれに見る演技の才能の持ち主ですね。
    ショーケンの声が裏に返る一瞬間のところはつくづくディランだなあ、と前から考えていました。
    ボブ・マーレイの影響は言うまでもないでしょうね。ステージ見ててもそう思いました。
    ぐでんぐでん、コンクリートジャングル等、だめ男を歌わせたら天下一品ですが、ディランを聴きこんだかは疑問です。
    ショーケンの一番尊敬するミューシャンはストーンズだそうですが、そうは言ってもストーンズも幅広いんで、いつ頃のストーンズに影響を受けているのかステージでのピチピチのタイツ以外思いつきません。
    やはり、ディランに相違なく、本質的に近いマインドを持っているのではないでしょうか。
    で、曲はディランと違い自分で書いてはいませんから、曲から自分を引き出す迫真の演技力の賜物でしょう。
    柳ジョージはじめ色々カバーもしていますが、そのすべてがオリジナルより優れている事実からもそれが言えると思います。
    小生が思うに、ベスト盤はやはり「熱狂 ライブ」です。

    ながながとすいません。

  2. より:
    残暑お見舞い申し上げます。猛暑は続きますが、御身体だけは大切になさって下さい。 三浦様の映画・音楽への造詣の深さにも感心しております。私事ですが、当方も萩原様の大ファンで、何度かお目にかかり、暖かい御言葉を掛けて頂きましたので(先日7月26日のお誕生パーティーにも参加)三浦様の文章を拝読して大変嬉しくなった次第です。萩原様が、俳優・歌手としてまた、良いお仕事をして下さる事を願うばかりですね。 ところで、コメント欄の山路様の御意見に当方も同感です。宗教の対立はイデオロギーよりも厄介ですね・・(>_<) 深田祐介様の御冥福も心よりお祈りしたいです。萩原遼先生の文春文庫版に寄稿された暖かく、鋭い解説文も忘れられません。 合掌。
  3. miura より:
    へえー、萩原健一さんとお会いしたことがあるとは羨ましい。どうも私は彼って過小評価されてると思うし、まあこれはファンの思い入れかもしれないけど、彼の魅力を最大限に発揮した映画作品がとうとうなかったように思うんですよ。少なくともここで書いたテレビドラマほどは。あとこれは子供のころ観たのでうろ覚えなんだけど、NHK大河ドラマ「勝海舟」での岡田以蔵役が大変良かった。あの大河は実にすばらしかったと思います。絶対彼は引き出しの多い優れた俳優だと思うんだけど、ちょっと監督というか、スタッフの側が「萩原健一イメージ」に閉じ込めちゃったような気がして残念。
  4. miura より:
    そうですね、もちろんストーンズはよく聴きこんだと思います。沢田研二とツインボーカルだったPYG時代のライブの選曲とか見ると、本当に60年代ロックへの思い入ればんばんだったのはよくわかりますよね。多分好きだったのはミック・テイラーが入ってからの60年代末から70年代の、ブルース・ロック・バンドとしてのストーンズだったと思うんですよ。その辺りの音を、柳ジョージにも、またあとのバンドにも求めているように思います。それに一番答えたのは、確かに柳ジョージさんだったかもしれない。
    時々、また、シンプルなサウンドで何か歌ってほしいなあと思わせる人です。
  5. ETHEL より:
    世代がまるっきり違いますが、ショーケンさんが、たとえ色んな不祥事等があっても嫌いにならないのは何故でしょう? 普通なら、「不真面目な不良な人!」で終わってしまうのに….。
    あの人の、そこはかとない魅力???  何か得体の知れないオーラがそうさせるのでしょうか?
    自他共に認める真面目一方な私ですが、とても不可思議でなりません。ハッキリ言って好きな方です。
    「ハロー・マイ・ジェラシー」が好きです。子供の頃、確か、CM で流れていました。
  6. miura より:
    まあお会いしたことはないですけど、この人、役や音楽に関してはこんなにまじめな人少ないってくらい真面目なんじゃないですかね。
    インタビューの片りんで決めつけちゃいけないけど、いわゆるロックはアウトローだ、アウトローだから普段も礼儀なんかなくていい、と言った変なカッコつけに対し(失礼ながら意外なほど)批判的だったような気がうろ覚えでするんですよ。あと、マザーテレサという人、私は正直あんまり評価しないんだけど、ショーケンの場合、本当に素直に彼女の献身を讃えていたし、基本的には真面目というかいろんな意味で曲がったことは嫌い出し、屈折や皮肉を気取る姿勢はいやなんじゃないでしょうかね。案外本質は「前略おふくろ様」そのものの人のようにも思えるんですよ。そういう人が才能持ってしまったり芸能界で活躍したりすると、かえってバランス崩すんじゃないかと。ま、とにかくいえることは「ハロー・マイ・ジェラシー」は彼にしか歌えない名バラードだったことですね。機会があったら映画「ラスト・ワルツ」の、ボブ・デイランが歌う「フォレバー・ヤング」と聴き比べてみて下さい。
  7. ETHEL より:
    私の母親が、(元外国人ですが…) ザ・バンドの「ラスト・ワルツ」の3枚組レコードを聞きながら、仕事(タイピスト)していました。
    いつも、今でもですけど、午後の2時~3時にかけて、アフタヌーン・ティーをかかせません。NHKの「リアル・マッサン」状態です。
    勿論、私も、御指摘されている、「フォーレバー・ヤング」を聴いたことがあります。とても素晴らしいと思います。
    ただし、母親はショーケンは苦手らしいです…..トホホ…。
  8. sakidesuhesomagarichan より:
    はじめまして
    チャンネル桜の討論番組に参加されているのを何度か拝見して、
    ご経歴については、存じ上げないものの、討論に出席されている他の識者とは
    どこか違って、詩人の感受性が持つ批評眼のようなものを感じて、
    ご意見に共感することが度々有りました。
    偶々ショーケンが亡くなってから、ショーケンというコトバで、ネットサーフィン
    していたら、貴ブログにたどり着きました。
    わあ~あの三浦さんがショーケンのこと褒めてくれる と嬉しくなりました。
    おっしゃるとおり、ショーケンは、ボブディランがとても好きで、彼から
    影響を受けています。
    随分昔(1970年代)の井上タカユキさんのラジオ番組のゲストとして
    ショーケンが出演した時に、タカユキさんが、ショーケンが音楽について話して
    くれることはいつも当たっている、ボブディランについても、誰よりもショーケンの
    言うのが正しいというようなことを、語っていました。
    その番組中でショーケン自身が、ボブディランを聴いてくださいと薦めていました。
    ご存知のことでしたらお許しください。
    実は私自身、このようなことも、ショーケンが亡くなってから、
    ネットで知った次第です。恥ずかしながら、中学生の頃、テンプターズ時代の
    ショーケンの歌う「今日を生きよう」「ストップザミュージック」、そして「タイガースVS テンプターズ」
    のテレビシーンでの彼のパフォーマンスのかっこよさに夢中になっていました。
    テンプターズ解散後は、全くショーケンから離れていたのですが、
    亡くなって、youtubeなどを見て驚きました。心を揺さぶる歌、ライブでの
    パフォーマンス!ショーケンはショービジネスの中で生きた類い稀な芸術家だったと
    私は、今思っています。

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