追悼 沖山秀子さん 

女優・沖山秀子さん死去「陽炎座」など出演 
 沖山秀子さん(おきやま・ひでこ、本名・近野秀子=ちかの・ひでこ=女優、歌手)21日、不整脈のため死去、65歳。告別式は近親者で済ませた。喪主は夫、和文(かずふみ)さん。

 映画「神々の深き欲望」(今村昌平監督)でデビュー。「どですかでん」(黒澤明監督)や「陽炎座」(鈴木清順監督)などに出演したほか、ジャズ歌手としても活躍した。(産経新聞)

映画として私が好きなのは『どですかでん』黒澤映画の中でも極めて過小評価されている作品だと思う。

でも、沖山秀子の最高傑作は、映画『19歳の地図』だ。これは断言する。中上健次の『青春小説』を柳町光男が見事に映画化し、『かさぶただらけのマリア様』を沖山秀子が演じた。柳町監督ファンには悪いが、彼はやはりこれ以上の作品は撮っていないように思う

原作では、この『マリア様』は出てこない。でも、脅迫電話、いたずら電話でしか他者や世の中につながれない

青年が、最後に出会う母性の象徴として、映画の中の沖山秀子はぞくっとするほどかっこよかった。

今なら、パソコンで罵詈雑言を流すことでしか他者と出会えない人間像とも共通するテーマではないかと思う。

ただ、私にとって沖山秀子さんは、アルバムはたった一枚しかないけど、ジャズシンガーなんですよね・・・

沖山秀子 サマータイム http://www.clinck.co.jp/merurido/dtl.php?ky=CRCD5009

ビリー・ホリデイの歌った曲を中心に、いかにも後期のビリーのようなスタイルで歌っているんですけど、これは女優らしく情感がこもっていて、すごくいいアルバムだと思う。バックの日本ジャズミュージシャンもいいですよ。

沖山秀子と中上健次の対談から、中上氏の発言を引用します。

『母権的なもの、母権で、無垢で、しかも穢れていてなお無垢で、無垢だけれど穢れているみたいな、それ自体が社会の中心じゃないかみたいな、オレの現実に対する、現世に対する肯定の意思、それがカサブタだらけのマリア様を書くこと、見つけることによって、はっきり解ったっていう感じね。』

これ以上の沖山秀子論はない。

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