[南モンゴルの風」にて、関岡英之氏の「帝国陸軍 知られざる地政学戦略」(祥伝社)から、モンゴル独立を通じたアジアの解放を夢見た軍人を紹介

南モンゴル草原の風 最新放送です。今年の秋には、世界南モンゴル会議「クリルタイ」日本開催が予定されておりますので、ぜひ皆様のご支援をよろしくお願いします。

正直、南モンゴルの問題はウイグルやチベットほどは知られていないのが現実ですが、文化大革命時代の民族ジェノサイド、その後も続く植民地支配の実態について、今年は随時報告していきたいと思います。

この放送で紹介した、松室孝良大佐が1933年に関東軍に提出した「蒙古国建設に関する意見」から、関岡英之氏が「帝国陸軍 知られざる地政学戦略」(祥伝社)で伝えている部分を少し引用します。

「それは、驚嘆すべき内容だった。満州帝国の姉妹国として、内モンゴル全域を領土とし、チベット仏教を国教とする「蒙古国」を樹立せよ、という提案だったのだ」

「松室は、モンゴル人の漢人に対する民族的反感は予想以上で、今や満州国の創建を見て『シナより分離して蒙古独立を策せんとする機運勃然として興り、抵抗の助力をねがう叫びは全内蒙古に横溢しつつある現状なれば、帝国の後援により蒙古独立の完成は容易』であり、外モンゴルがソ連の後方支援によって独立したごとく、内モンゴルも日本及び満州国の援助によって、中華民国から離脱して独立を企図せんとするはごく自然の勢いであると説く。」

「モンゴル国家の成立は、甘粛省、東トルキスタンなどのイスラーム系民族の決起を促して必然的に『回教国』の建設機運をもたらし、またチベットにもモンゴル国家を通じて日本との提携機運を助成し、ここに中国本土の外側をめぐって、日本を中心とする満州国、モンゴル、回教国、チベットの環状連盟を形成し、中国をして日本に提携せざるを得ない状況に導く。」

「さらにこの環状連盟が、外モンゴル、中央アジア、ペルシャ、インド、インドシナに与える政治的影響は絶大であり、ついに全アジア民族の奮起を促し、アジア復興を達成しうること夢想にあらざるべし」

このような展望を持ちえた軍人がいたこと、ある意味、戦前のほうが、はるかに日本には「国際人」が多かったことの証明ではないでしょうか。そして言うまでもないことですが、真の国際感覚というのは、国家、民族、信仰といった問題から目を背けては逆に成り立たないことも、歴史は私たちに教えてくれるように思えます。

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